洗濯の知識

衣替えはいつすべき?整理収納のプロが教える効率的な3ステップ

衣替えはどのタイミングでやればいい?服のお手入れや収納のコツは?

衣替えの基本から楽にできるコツを、予約の取れない家政婦として人気のタスカジsea(しー)さんに、服のお手入れについてはリネットのお洗濯アンバサダー近藤さんにお聞きしました。

そもそも衣替えの時期っていつ?

クリーニング店の繁忙期は春の4〜5月と秋の10〜11月ごろですが、学生服の衣替えは6月1日と10月1日に設定されることが多いようです。衣替えにおすすめのタイミングってありますか?

まずは、タスカジseaさんに伺いました。

seaさん「衣替えと一口に言っても、服のお手入れや収納、入れ替えといくつか工程がありますが、衣替えで一番大切なのは『今着たい服を手前に出すこと』なんです。お手入れや収納は後回しでもそこまで困らないですが、今着たい服が手元にないと生活が回らなくなってしまいますよね。そこから考えると、次のシーズンの衣類が必要になるタイミングが衣替えどきと言えます」

次のシーズンの服が必要なタイミングで衣替えをすればいいんですね。

seaさん「衣替えにはいくつか工程があるので、この日!と決めるよりも、数週間かけて衣替えを進めていく方が楽にできると思います」

衣替えの順番は?衣替えは3つのステップに分けられる!

衣替えにはいくつか工程があるということですが、どういう順番でやるのがいいですか?

seaさん「衣替えの作業は、以下の3つの工程に分けられます。これを一気にやろうとすると大変で嫌になってしまうので、少しずつ進めていくことがおすすめです。
忙しい人は、とりあえずステップ3から始めても大丈夫。減らすのが苦手で衣類が増えがちな人は、ステップ1でつまずかないコツを知っておくといいでしょう」

  • 衣替えステップ1:取捨選択「しまう服と手放す服を選別する」
  • 衣替えステップ2:お手入れ「しまう服をきれいにする」
  • 衣替えステップ3:入れ替え「しまう服と今着たい服を入れ替える」

seaさん「あとは、時間を区切って30分単位でやるのも衣替えを楽にするコツ。今日はインナーを選別する日、ニットを集める日、洗濯して干す日、クリーニングに出す日など、30分単位でやればいいと考えると、少しずつ進められますし、精神的な負担も少なくなります」

それぞれのステップについて、詳しく聞いていきます。

衣替えステップ1:取捨選択「しまう服と手放す服を選別する」

服を減らすのは「しまうとき」がいちばんのチャンス

seaさん「衣替えの負担を減らすためにも、しまうタイミングでできるだけ服を手放すのがおすすめです。捨てるのが苦手な人は、残す残さないの判断を先送りにする傾向があります。でも、衣類は、いったん洗ってたたんで収納してしまうと、次のシーズンもなし崩し的に着ることになってしまい、見切りが難しくなるんです。

衣類が減れば収納スペースが広く使えますし、洗濯やクリーニングする量も減って楽です。より大切な衣類のケアに手間暇やコストをかけられるようになります」

見切りをつけた方がいい衣類とは?

seaさん「ずばり、部屋着とインナー類! この2つはヨレヨレになっても着られるので捨てどきが難しいアイテムです。2軍落ちした毛玉だらけのニットやインナーが10枚以上ある……なんてことはありませんか?

必要な枚数は人によって違いますが、今シーズン一度も袖を通さなかったものや、2〜3シーズン以上着ているインナーは捨てることを検討してもいいでしょう」

衣替えステップ2:お手入れ「しまう服の汚れを落とす」

服のお手入れ方法ごとに分ける

seaさん「残す衣類が決まったら、服のお手入れに進みます。自宅で洗う服とクリーニングに出す服など、お手入れ方法ごとに分けておくといいでしょう」

  • 自宅でいつも通り洗うもの……インナーや部屋着など
  • 自宅でおしゃれ着洗いしたいもの……ニットなど
  • クリーニングに出したいもの……アウターやニット、お気に入りの衣類など

おしゃれ着はまとめて洗いたいと思うと、なかなか片付かないんですよね……。

seaさん「そんな方には、『洗い待ちボックス』をつくることをおすすめしています。カゴでも袋でもいいのですが、そこにまとめて洗いたい服をどんどん入れておけると、いつまでもオフシーズンの服が出ている状態を回避できます。

同じように『しまい待ちボックス』もある程度の期間、つくっておくといいでしょう。大掛かりな入れ替えが終わった後も、洗い上がったおしゃれ着や、クリーニングから戻ってきたニットなどがちょこちょこ出てきますよね。まとめて一度に収納するために、とりあえずためておく場所があると衣替えがスムーズに完了できます」

衣替えの前は衣類は必ず洗う

衣類は一度でも袖を通したら、洗った方がいいのでしょうか?

リネットのお洗濯アンバサダー近藤さんに聞きました。

リネット近藤さん「一回でも袖を通したら、目に見えない汚れがついているので必ず洗ってからしまいましょう。しまっていた服が黄ばんでいたり、カビや虫食いの経験はありませんか? これらは、見えないシミや汗などの皮脂汚れが残っていることが原因の一つです」

洗剤選びや洗い方のポイントはありますか?

リネット近藤さん「汚れを落とすには、洗剤は、皮脂汚れに強い、弱アルカリ性の粉末洗剤を使うのがおすすめです。液体洗剤やキューブ型洗剤は中性のものが多いので、長期間保管する前の『しまい洗い』には向いていません。しっかり汚れを落とせる、粉洗剤がいいでしょう。

また、すすぎ1回だと汚れが落としてきれないので、『すすぎ2回』で洗うようにしましょう。衣類を洗濯機に詰め込みすぎないことも大切です」

自宅で洗えない衣類はどうすればいいですか?

リネット近藤さん「自宅で洗えないアウターやお気に入りの服は、クリーニングのプロにおまかせしましょう。宅配クリーニング『リネット』では専用の溶剤でしっかり洗うので、自宅で落とせない汚れもきれいに落とせます。

衣替え前のお手入れのコツは、衣替えが楽にできるコツと、保管中のトラブルを防ぐお手入れも参考にしてくださいね」

衣替えステップ3:入れ替え「しまう服はコンパクトに収納。今着たい服を前に出す」

オンシーズン服の中でも今本当に着たい服を選び抜く

seaさん「お手入れ後は、オフシーズンの服とオンシーズンの服の入れ替えです。衣替えで一番重要なのが、今着たい服を手前に出しておくこと。忙しい人や断捨離が苦手な人などは、まずはこれだけできればOKです」

着たい服を前に出す!ならすぐにできそうですね。

seaさん「もしも、オンシーズンの服が多すぎて、引き出しや掛けるスペースがパツパツになるようであれば、一度冷静に『本当に着たいかどうか』『実際に着るかどうか』を考えてみましょう。『着ようと思っていたのに結局昨シーズンも着なかったな』『肌触りが今ひとつなので、置いてあっても結局選ばないんだよな』中にはそういう服もあるのではないでしょうか。

そういう服は、このタイミングで思い切って手放すか、それが難しいなら「保留のオンシーズン衣類」としてコンパクトにまとめ、オフシーズン服と同じようにしまっておくことをおすすめします。『とにかく服がたくさんあるクローゼットより、厳選されたお気に入りの服が、不便なく出し入れできるクローゼット』の方が、きっと気分も上がるはずです」

オフシーズンの服はどう収納するのがいいですか?

seaさん「オフシーズンの服は、次の衣替えまで必要ないのでできるだけコンパクトに収納できると、オンシーズンの服の邪魔になりません。逆に、今着たい服は取りやすい場所にゆったり収納できると、使い勝手がいいクローゼットがつくれます。

また、衣替えを楽にするテクニックとして、しまう服と出す服を近くに置くことがポイントです。保管場所が遠いと、しまった場所を忘れてしまったり、入れ替えるのが面倒くさくなってしまうもの。しまう服はクローゼットの近くに収納できると次の衣替えがぐんと楽になりますよ」

  • オンシーズンの服……ゆったり手前に収納
  • オフシーズンの服……コンパクトに近くに収納

たたむ?吊るす?衣類のしまい方のポイントは?

しまい方のポイントは、リネットのお洗濯アンバサダー近藤さんに教えてもらいました。

リネット近藤さん「衣類を収納するときに気をつけたいのは、ハンガーで保管する服と、たたんで保管する服をしっかりと分けておくことです。特に、薄手のブラウスやフリルがついているもの、サテンなどのテロテロとした生地の衣類は、無理にたたまずにハンガーにかけて保管するのがいいでしょう。たたんで保管するときには、重い衣類は下に置くようにしまうとシワを防ぐことができます」

ハンガーにかけた方がいい衣類

  • コート類……たたむと場所をとってしまうので、ハンガーにかけるのが◎。獣毛のファーなどは毛にくせがつくと折り目が取れなくなることもあるので、取扱いには気を付けて。
  • シャツ類……シワが気になる場合には、ハンガーで保管するのがおすすめ。
  • シルク素材の衣類……シワが強くついてしまって、取れにくいのでたたんで保管するのはNG。生地がスレやすいので、摩擦の心配がないハンガーに保管するのがベストです。

たたんでしまった方がいい衣類

  • ニット類……ハンガーにかけて保管しておくと、伸びてしまう可能性があるので、たたんでしまって。スペースが確保できない場合は圧縮袋に入れるのもおすすめ。圧縮してついてしまったシワは、スチームアイロンをかけてあげるとすぐに取れます。

近藤流!シワができないたたみ方

たたみ方1 全体のシワをきれいに伸ばす

衣類全体の縫い目を揃えたら、表面を優しく手のひらでなでて平らにしてあげるのがポイント。

表面がポコっとなっているときには、裏側でシワができています。そんなときには袖の上部をおさえて下から引っ張り出すようにしてシワをとってあげましょう。シワの状態のまま衣替えしてしまうと、頑固なしまいジワの原因になってしまいます。

たたみ方2 袖の接合部分の縫い目に沿ってたたむ

まず、袖からたたんでいきます。袖はなるべく接合部の縫い目に沿うようにたたみましょう。接合部がない場合などは肩の部分から反対側の肩の方へ袖がいくようにたたみます。

袖の先が反対側の肩より飛び出してしまう場合は、袖口の部分をたたんで長さを調節します。袖に切り返しなどがある場合はその部分でたたむのがベスト。シワを作らないよう、できるだけたたむ部分を少なくするのがポイントです。

袖をたたんだら、おなかの部分で身頃を半分にたたみます。このとき、内側にくる袖がシワにならないように気をつけてください。肩の方からたたむのではなく、裾の方から上にたたんであげると袖がヨレにくいのでおすすめです。

基本のたたみ方はこれで完成です。

保管場所がない、さらに小さくたたみたい場合は、身頃をたたんだら、次に洋服の真ん中で縦に半分にたたんでください。

保管するときの消臭剤や防虫剤はどんなものを選ぶといいですか?

リネット近藤さん「臭い対策として、消臭剤を使って保管する方も多いかと思いますが、違う種類の消臭剤を一緒に入れるのはNG。においが混ざり合ってしまって、むしろにおいが気になってしまう場合があります。さらに香料が入っているタイプはそのにおいがついてしまうこともあるので、無臭タイプのものがおすすめです。

防虫剤も違う種類を一緒に使うことはせず、衣類に直接つくことがないように注意してください。衣類のシミや変色の原因になることもあります」

衣替えが楽にできる方法とお手入れテクで、面倒な家事を乗りきろう

リネットマガジン編集部「衣替えの基本や楽にできるコツと、衣替え前の衣類の洗い方のポイントをご紹介しました。

タスカジsea(しー)さんによると、衣替えのときは、次の3ステップを少しずつ進めていくようにするのがおすすめ。

  • 衣替えステップ1:取捨選択「しまう服と手放す服を選別する」
  • 衣替えステップ2:お手入れ「しまう服をきれいにする」
  • 衣替えステップ3:入れ替え「しまう服と今着たい服を入れ替える」

またリネットのお洗濯アンバサダー近藤さんによると、衣替えでしまう前にはしっかりと汚れを落とすことが大切。洗剤や洗い方に気をつけたり、クリーニングに出すなどの対策をしてからしまうようにしましょう」

 

●profile
sea(しー)
家族の片づけコンサルタント。ハウスクリーニング、家事代行サービスに携わって20年。延べ6,000件の家庭を掃除、片づけからサポートしてきた経験を持つ。現在家事代行マッチングサービス「タスカジ」で予約の取れない家政婦として活躍する一方、メディア出演や執筆、一般向けの講座の企画・開発など活動の幅を広げている。著書に「タスカジseaさんの『リセット5分』の収納術(主婦と生活社)」。https://taskaji.jp/user/profile/2551

■「タスカジseaさんの『リセット5分』の収納術」(主婦と生活社)

■ダイヤモンド・オンラインで連載中

●家事代行マッチングサービス「タスカジ」
多彩な家事スキルを活かして働くハウスキーパー(タスカジさん)と、家事をお願いしたい人とをつなぐ、シェアリングエコノミーの家事代行マッチングサービス。1時間1500円からで、プロフィールとレビューを見て依頼者自身が自分にピッタリのハウスキーパーを選び、依頼できるのが特徴。ハウスキーパーと直接やりとりして希望を伝えることで、自分や家族に合ったサービスや細かい要望もオーダーすることが可能です。https://taskaji.jp/

  • この記事を書いた人

リネットマガジン編集部

リネットマガジンの編集・執筆担当。面倒くさがりの「ナマケモノ」ゆえに、効率よく省エネで生きることには熱心。 お洗濯がメンドクサイと思っている仲間のために、「時短で、ラクに、キレイになるリアルに使える洗濯術」を紹介しています。

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