洗濯の知識

洗濯で服が縮むのはなぜ?縮まない方法4つのコツで失敗しない

「ドライコース」「おしゃれ着コース」などの、デリケートな服も洗える機能が付いている洗濯機がありますよね。おしゃれ着やセーター類をおうちで洗う方もいるのでは?

でも、洗濯機で洗って服が縮んでしまったというトラブルも少なくないのだとか。そこで、今回はさまざまな方法で洗ってどのくらい服が縮むのかを実験してみました。服が縮まないようにするコツもご紹介します。

まずは実験。いろんな方法で洗ってみました!

次の3つの方法で、同じウールのセーターを洗い、それぞれどのくらい縮んでしまうのかを実験してみました。

使った衣類は、市販されているウールのセーター。

洗濯表示では、次の方法での洗浄が可能となっていました。

  • 中性洗剤での手洗い
  • ドライクリーニング

洗う前の袖の長さ、幅、丈の長さは次の通り。

  • 袖の長さ(肩から袖口まで)約70cm
  • 幅 約43cm
  • 丈 約60.6cm

洗い方

  1. ドライクリーニング
    クリーニング店でプロに洗ってもらった。
  2. ドライコース+おしゃれ着用洗剤
    おしゃれ着用洗剤を使用し、洗濯機の「ドライコース」で洗った。
  3. ドライコース+普通の液体洗剤
    市販の液体洗剤を使用し、洗濯機の「ドライコース」で洗った。

なんと、驚きの結果が…!

1:ドライクリーニング

見た目は元のセーターと変わりません。

クリーニング店でプロに洗ってもらったドライクリーニングでは、袖の長さはほとんど変わりませんでしたが、幅は43.0cm→41.2cmに、丈は60.6cm→60.2cmと若干縮みました。

2:ドライコース+おしゃれ着用洗剤

普通の液体洗剤で洗ったほどではないですが、襟ぐりがややよれています。

おしゃれ着用洗剤を使用し、洗濯機の「ドライコース」で洗った場合は、袖の長さが70.0cm→70.8cm、丈は60.6cm→59.6cmに変化。幅は43.0cm→37.2cmと、約6cmも縮んでしまいました。

3:ドライコース+普通の液体洗剤

液体洗剤を使用し、洗濯機の「ドライコース」で洗った場合は、袖と丈の長さは2と同様の変化がありましたが、幅はなんと43.0cm→36.2cmに。約7cmも縮んでしまいました。

重ねてみるとこんなに差があるんです!

おしゃれ着用洗剤で洗ったセーター(上)とドライクリーニングで洗ったセーター(下)を重ねてみました。袖口は重ねてみるとこんなに差がでてしまいました。

丈や幅もこんなに違います。

(上)おしゃれ着用洗剤で洗ったセーター
(下)ドライクリーニングで洗ったセーター

自宅でおしゃれ着洗いをすると、なんで縮むの?

セーターが縮む原因には「水」と「温度」と「摩擦」が大きく関係しています。自宅の洗濯機で洗うと、衣類に摩擦が起こりやすく、水の量や温度もクリーニング店のように調整することが難しいです。

つまり、自宅の洗濯機で洗うことで、セーターが縮む条件が揃っているということになります。そのため、クリーニングに比べて、洗濯機でおしゃれ着洗いをすると、袖や丈、幅が縮んでしまうのです。

また、実験を行ったところ、通常の「液体洗剤」よりも、「おしゃれ着用洗剤」の方がセーターが傷まない結果となりましたが、これは、おしゃれ着用洗剤の洗浄力が弱いことが関係しています。

おしゃれ着用洗剤は、洗浄時に毛玉になりにくい効果や、型崩れを抑えて衣類を縮みにくくする特長があるんです。どうしてもおうちでセーターを洗濯をしたい場合には、おしゃれ着用洗剤を使うほうがよいでしょう。

しかし、洗濯表示を確認した時に「水洗い」や「塩素系漂白」「ドライクリーニング」などの表示に全て× 印がついている洋服は、おうちで洗うのはNG。

万が一洗濯表示を確認せずに洗ってしまうと、サイズがひとまわり以上縮んでしまったり、ごわつきが起こる可能性もあるので、気をつけてください。

宅配クリーニング「リネット」なら、24時間ネットで受付ができ自宅から出ずにクリーニングが完結するので、時間・労力がかからない上に自分の生活リズムに合わせてクリーニングを活用できます。

まだ、自宅にいたままクリーニングを利用されたことのない方は、宅配クリーニング「リネット」体験談を参考にしてみてくださいね。

服を縮ませない4つのコツとは?

上記の実験からも分かる通り、おうちで洗濯機を使って洗うと服が縮んでしまうし、もとのように仕上がらないんです。それでも、おうちで服を縮ませずに洗うコツはないのでしょうか……?

おしゃれ着洗いで失敗しないための4つのコツを近藤さんにうかがいました。

縮ませないコツ1:手洗いで洗う

おうちでセーターなどを洗うときは必ず洗濯表示を確認してください。洗濯機で洗えるとされる衣類であっても、心配ならば手洗いで洗うようにしましょう。服がこすれて摩擦が生じると服が傷みやすくなるので、服をこすって洗うのではなく、上から圧力をかける押し洗いで洗うのがベストです。

ただし、おうちで洗うことで、型崩れや縮みが発生してしまう可能性が高い衣類や、ブランド物の衣類、洗濯表示を確認したときに、「手洗い」や「ドライクリーニング」などの表示が全て× になっているものは、手洗いも避けた方がいいでしょう。長く大切に愛用したい衣類は、おうちで洗わずにクリーニングに出すことをオススメします。

縮ませないコツ2:脱水は弱脱水1分

手洗いしたあとは絞らずに脱水をかけることがポイント。特にウール素材のものは絞ると繊維が縮み、固くなりフェルト化するので、絞るのはNG。ただし、ウールは摩擦にも弱いので、脱水する場合は弱脱水や一番弱いコースで1分以内で済ませるようにしましょう。

縮ませないコツ3:ある程度形を整えてから干す

ウールは固くフェルト化してしまうという性質があります。脱水したあと縮んだ部分を伸ばして、形を整えてから平干しするようにしましょう。

縮ませないコツ4:蒸気を当てて仕上げる

大きなポイントが仕上げ。特にえりや袖口など縮んでしまった繊維を伸ばしてあげるために、アイロンの蒸気(スチーム)をあててあげましょう。あて方は、アイロン台においてアイロンのスチームをかけるだけ。あて布をしてアイロンを押しあててしまうと、繊維がつぶれてしまい、ふわふわ感がなくなってしまうので注意しましょう。

セーターの洗い方について詳しくは、セーターやニットを縮ませない洗い方をご覧ください。

また、セーターの毛玉が気になる方は、毛玉の取り方OK・NG例と、毛玉を発生させないお手入れ方法もチェックしてみてください。

服が縮まない方法をマスターして、セーターやニットもきれいに着よう

洗い方によってどのくらい服が縮むのかの実験結果と、服が縮まない4つのコツをご紹介しました。

実験では、クリーニングか洗濯か、洗剤の違いによって、服の縮み具合が異なるという結果に。水、温度、摩擦がかかりやすい自宅の洗濯機では、ドライコースを使っても、ある程度縮むのは仕方がないということがわかりました。

もし縮まないように対策するのであれば、次の4つのコツを守りましょう。

  1. 手洗いで洗う
  2. 脱水は弱脱水1分
  3. ある程度形を整えてから干す
  4. 蒸気を当てて仕上げる

また、そもそも洗濯表示で洗濯機洗いや手洗いがNGの場合は、クリーニングに出して洗ってもらうようにしましょう。

  • この記事を書いた人

リネットマガジン編集部

リネットマガジンの編集・執筆担当。面倒くさがりの「ナマケモノ」ゆえに、効率よく省エネで生きることには熱心。 お洗濯がメンドクサイと思っている仲間のために、「時短で、ラクに、キレイになるリアルに使える洗濯術」を紹介しています。

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