洗濯物を部屋干しをしたときや汗をかいたまま放置していると臭ってくる、生乾きの嫌な臭い。誰もが一度は経験したことがあるのではないでしょうか。せっかく洗ったのに洗濯物の臭いが気になると、それだけで悲しくなりますよね。
そんな生乾きの嫌な臭いを防ぐ洗濯の仕方をリネットお洗濯アドバイザーの近藤さんに教えてもらいました。
この記事を監修した人
リネットお洗濯アドバイザー 近藤高史
クリーニング歴20年以上のクリーニング師。クリーニング会社の工場長を経て、2014年よりリネットの品質管理部門の現場責任者。メディア出演多数。趣味はランニング大会に出ること。
「クリーニングのプロの視点から、衣類をずっとキレイに保てるお洗濯やお手入れの方法をご紹介します!」
目次
生乾きの洗濯物にはなぜ臭いが発生するの?
生乾きの洗濯物が臭う原因は「雑菌」です。
洗濯物がしっかりと乾いておらず、水分を含んだまま時間が経過してしまったり、汚れや汗が洗濯で落ちきらなかったことによって、この雑菌が繁殖し、生乾き特有の嫌な臭いを発してしまうのです。
さらに雑菌は湿気を好むため、汗をかいた服を何日も放置することでも、嫌な臭いが発生してきます。そのため、汗をたくさんかいた衣類を通気性の悪いカゴの中に入れたままにしておくと、雑菌が繁殖してしまい、生乾きの嫌な臭いが発生してしまうのです。
生乾きの嫌な臭いを防ぐ洗い方とは
洗い方や干し方を工夫することで、生乾きの嫌な臭いを防ぐことができます。まずは、生乾き特有の嫌な臭いを防ぐためにおすすめの洗い方をご紹介します。
おすすめの洗い方1:酸素系漂白剤を使って洗濯する
生乾きの原因となる雑菌をしっかりと除菌することで、嫌な臭いの発生を防ぐことができます。酸素系漂白剤には除菌効果があるため、酸素系漂白剤でつけ置きした後に洗えば、生乾きの嫌な臭いの対策になるのです。
最近では「部屋干し用洗剤」が販売されていますが、そのほとんどに酸素系漂白剤が含まれています。洗剤を買うときにチェックしてみてみましょう。ただし、塩素系の漂白剤は漂白力が強いので、色がついた衣類には使わないように気をつけてください。
注意:漂白剤の色落ちチェック
漂白剤を使う前には、必ず色落ちチェックをしましょう。
タオルなどに漂白剤を含ませ、衣類の目立たないところにこすりつけます。数分置いてすすぎます。
こすりつけたときにタオルに色が移ったり、すすいだときに色が落ちてしまったら漂白剤は使わないでください。
おすすめの洗い方2:重曹を使って洗濯する
酸素系漂白剤以外だと、重曹を使うのもおすすめ。洗濯をするときに重曹を一緒に入れると、生乾きの嫌な臭いの予防になります。
洗濯槽に、40℃程度の体温より少し高い温度のお湯を溜めて、水量10Lに対して大さじ1杯程度の重曹を溶かしておきます。あとはいつも使用している洗剤を入れて洗濯してください。
重曹には消臭効果があるのはもちろん、臭いの元になる皮脂汚れを落としやすくしてくれる効果があるので臭いを抑えることができるんです。皮脂汚れが落ちると、白いものはきれいな白に、色や柄物の洋服は色鮮やかに仕上がる嬉しい効果も期待できますよ。
おすすめの洗い方3:風呂の残り湯を使って洗濯するときは、すすぎには水道水を使う
お風呂の残り湯は、洗濯機の「洗い」に使用するのはOKですが、「すすぎ」には水道水を使いましょう。お風呂の残り湯には雑菌が多く含まれているため、生乾きの嫌な臭いを発生させてしまう可能性が高いためです。
節約のために残り湯を使ったのに、雑菌が繁殖してしまってもう一度洗わなくてはいけないことになりかねないので、気をつけてください。
ちなみに、消臭スプレーを使っても、臭いの根本的な対策にはなりません。
消臭スプレーは一時的な消臭には有効です。ただし、消臭スプレーをかけただけでは生乾きの嫌な臭いの原因である雑菌を取り除くことはできないので、時間が経つと臭いが発生してしまいます。
また、汚れが付いているところに消臭剤を吹きかけることで、最悪輪ジミになる可能性も。
消臭スプレーは、臭いが気になる洋服の洗濯をする時間がない!というときなど、すぐに消臭したいとき以外にはあまり使わない方がいいでしょう。
生乾きの嫌な臭いを発生させない、洗濯物の乾燥のコツは?
洗濯した衣類は、湿った状態が長ければ長いほど雑菌が繁殖し、生乾きの嫌な臭いが発生してしまいます。そのため、干し方などの乾燥方法も大切です。
生乾きの臭いを発生させない、洗濯物の乾燥のコツを4つご紹介します。
乾燥のコツ1:洗濯が終わったらなるべく早く取り出して、干す
洗濯物をなるべく早く干さないと、嫌な臭いのもととなる雑菌が繁殖してしまいます。
より確実に雑菌対策するためには干し方も大切です。できる限り洗濯物の表面積が外気に触れるように干すことがポイント。ハンガーもできるだけ太めのハンガーを使うようにすると、中の部分も風通しがよくなり、速く乾きます。
乾燥のコツ2:風を当てる
洗濯物を早く乾かすには「風」を当てるのがポイント。風通しの良い日陰や扇風機の風を当てて湿気を飛ばすことが大切です。
洗濯物は湿気があると、衣服についた雑菌が増えて臭いが発生します。そのため洗濯物を干すときには、風通しの良い日陰で干すと湿気が飛び、雑菌の増殖をおさえることができるので、生乾きの嫌な臭いを防ぐことができます。
部屋干しの際は風がないので、洗濯物に扇風機で風を当てるなど、洗濯物を速く乾かす工夫をしましょう。
乾燥のコツ3:乾燥機を使う
乾燥機を使うと乾かす時間が短縮できて、生乾きの嫌な臭いを防ぐためには効果的です。
また、素材やパーツによっては、服が傷んでしまいやすいというデメリットもあるため、雨の日だけ乾燥機を使うなどの工夫をしましょう。完全に乾かすのではなく、干す前に一番低温の設定で10分ほど乾燥機にかけると、服のダメージを抑えて乾かす時間を短縮することができます。
乾燥のコツ4:半乾きの状態でアイロンをかける
干した洗濯物がある程度乾いた状態でアイロンをかけると、早く乾かすことができるので、臭いを抑えることができます。ただし、アイロンをかけるときにスチームを出してしまうと、水蒸気で洋服が湿ってしまうので避けてください。
洗濯物を早く乾かす干し方をもっと詳しく知りたい方は、部屋干しで洗濯物を早く乾かす方法もチェックしてくださいね。
生乾きの臭いを防ぐには「洗濯機の除菌」も大切
洗濯機も放っておくと、タンク内にカビや雑菌が繁殖します。カビや雑菌が繁殖した洗濯機で洗濯物を洗えば、いくら洗い方や干し方を工夫しても菌が増殖してしまうのです。
菌の繁殖を防ぐためには、洗濯機を使用した後は、ふたは閉めず、乾燥しやすい状態にしておくことが大切です。洗濯槽の裏もカビが生えやすいので、洗濯槽クリーナーを使い、月に一度くらいの目安で洗濯機を掃除しましょう。
洗濯機のお掃除テクを詳しく知りたい方は、洗濯機のお手入れ方法もチェックしてくださいね。
洗濯のポイントを押さえれば、生乾きの臭いを撃退できる
生乾きの嫌な臭いを発生させない、洗濯のポイントをご紹介しました。
洗うときは、酸素系漂白剤を使って雑菌を取り除いたり、重曹で消臭をしましょう。干すときは、風や乾燥機、アイロンの力を借りて早く乾かすことで、雑菌の増殖を防ぐことができます。また、雑菌を洗濯物に付けないために、洗濯機を掃除するのも効果がありますよ。
とにかく、生乾きの臭いの原因である「雑菌」を繁殖させないことが重要です。今日の洗濯から、ぜひ試してみてくださいね。