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【対談イベント】GINZA編集長とベイクルーズ取締役が語る「ライフスタイルとファッション」とは?【後編】

2017年2月23日、雑誌『GINZA』編集長の中島敏子さんとベイクルーズ取締役の森秀人さんをお迎えして、「ライフスタイルとファッション」をテーマにトークイベントを開催しました。お二人のファッションの原点や休日の洋服の選び方、お気に入りの洋服についてお話いただいた前編に引き続き、後編では、大切な服を長く着続けることや今後の展開についてうかがいました。

自分にとって本当に価値があるものを選ぶ人が増えている

弊社代表井下(以下、井下) ヨーロッパの人は日本人に比べて長持ちするものに対するこだわりを持っている人が多い印象を受けるのですが、お二人はどういうふうに考えていらっしゃいますか。

中島編集長(以下、中島) ヨーロッパの場合は街並みを作ったら動かさないけど、日本はもともと木で作られた建物が多かったせいもあり、家を建て替える文化が根付いています。そういうせいか、日本人は同じものを使い続けるのが苦手。トレンドとかもすぐに飽きちゃうんですよね。

森取締役(以下、森) 日本人は本当飽きっぽいと思います。

中島 トレンドが短いですよね。なかには、おばあちゃんからお母さんへ、お母さんから孫へと受け継がれているものもありますけど、特に若い子は商品もブームも右から左で消費していくなって思うことはありますね。

井下 森さんの場合、実店舗でそういった傾向を感じられる機会があるのではないでしょうか。

 特にレディースの服は小さいトレンドがたくさんあって、消費するスピードが本当に早いって思います。特に東京は。ただ、そのような中であっても、ファストファッション全盛だった2000年代と今を比較すると、やっぱりいいものをちょっと無理してでも買うとか、安いからといって即買いしないとか、そういったマインドの変化はすごくありますね。その中でずっと残っていくアイテムやブランドがあると感じています。

中島 震災があった時に知り合いから聞いた話なんですけど、避難所に暮らしてた女の子が6万円のブーツを何とか買いたいって連絡してきたらしいんですね。明日のご飯の方が大切なときだし、彼女にとっては6万円のブーツはすごく高い買い物。でも「それがあると明日から生きていける気がする」ってその子は言ったらしいんです。津波で全部なくなって一からやり直すときに、その子が欲しいのは1200円の安いスニーカーじゃなくて、6万円のしっかりした長持ちするブーツ。全てがなくなっちゃう可能性がある時代に、やっぱり長く続くものの大切さみたいなものをすごく感じたんじゃないでしょうか。

井下 心を支えるというか、そういう存在になるってことですよね。

中島 通り過ぎていくものも、それはそれでいいとは思うんです。でもそういうものとは別に、自分の基軸となってしっかり残っていくものと付き合うっていうスタンスは、若い人たちのなかに少しずつ生まれてきているような気もします。

井下 最近、エシカルとかカウンターカルチャーといった言葉も出てきましたよね。どういう経緯でそういう傾向が生まれてきたとお考えですか。

中島 ファストファッションが全盛だった頃は、若い子は買って売ってを繰り返して、ありとあらゆるものが自分の体の上を通り越したと思うんですけど、その虚しさも感じてしまった。だからといって何も買わないってわけではなくて、何かを買うときの選び方が厳しくなってきた感じがします。同じ5000円の物を買う場合でも、気楽に買って売ればいいではなく、ちゃんと選んで買ってる人が多くなった気がするんです。

 そうだと思います。「5000円だから買おうか」という気軽さはないなって思いますね。

井下 いいものかどうか、自分が欲しいかどうかを、真剣に考えてるんですね。

 本当に価値があるかどうか、それぞれの判断基準で買ってるんでしょうね。最近は、セールだから買うっていうマインドはないんです。セールを見に来てるけど、定価で販売している春夏ものの新作商品を選んで買われる方が結構多くて。そういう消費をみてるとやっぱり変化してるなって思いますね。

MUJI LaboとのコラボとLOVE MORE FASHIONについて

井下 ところで、2017年3月号の『GINZA』では無印良品とのコラボ企画を展開されていましたが、お話されていた世の中のマインドの変化と関係があったりするんでしょうか?

中島 そうですね。無印良品の中で「MUJI Labo」という新しいレーベルができたんです。普通の無印良品とはちょっと違う商品構成で、洋服はそんなにたくさん買えばいいものではなくて、必要なものだけ買えばいいよねっていうことを強く打ち出しているんです。『フランス人は10着しか服を持たない』という大ヒットした本もありましたけれど、洋服が少ないからいいとか、多いからどうのっていうことではなくて、やっぱり自分に必要か必要じゃないかを見極めることが大事。それがMUJI Laboに合ってるんだと思います。

井下 自分にとって本当に必要なものかどうかを見極める必要があるということですよね。

中島 私たちやアパレルとしては洋服を買って欲しい立場ですけど、洋服って実は買って終わりじゃない。ほっとくと穴が開いちゃったりするので、メンテナンスもしないといけない。今まで持ってた洋服と組み合わせたりしながら、愛情をもって何年か大事にしていると、また流行が来たりしますしね。

井下 中島さんのお話は、ベイクルーズさんと弊社がコラボして展開した「LOVE MORE FASHION」というプロジェクトにつながるようなお話だと思うのですが、このプロジェクトについておうかがいできますか。

 以前から「我々が提供しなければいけないお客さまへの価値はなんだろう?」と経営会議でよく話していたんです。やっぱり商品を売っておしまいっていうのはちょっと切ない。ファッションの販売サイクルのその先にも、我々が何かしら貢献できる領域があるんじゃないかと。それなら、買っていただいたものをケアするところまでお客様に伝えていければ、商品への愛着が深まったり、そのアイテムに合わせたいものを次の機会にお買い上げいただいたりと、すごくいいサイクルになるんじゃないかと考えたんです。そこで、御社と一緒に「LOVE MORE FASHION」というキャンペーンを展開しました。 期間中にお買い上げいただいたら、リネットのクリーニングチケットをお渡しして、シーズン終わりにこれをクリーニングに出して、来シーズンキレイな状態でまた着てくださいっていうものでしたが、年末の値引き商戦真っ只中にもかかわらず、我々は値引きをする販売は取らずに、新たなお客さまの価値を創造しながら販売設計ができました。「お買い上げいただいた後にお客さまにすごく喜んでもらえた」とか、「購入を迷っているタイミングでこの話をすることで後押しになった」とか、スタッフからのリアクションも良かったんです。全く他業種とのコラボで、しかもベイクルーズグループのファッションブランド全体でフェアを展開することが今までなかったので、スタッフにもすごくいい経験を与えることができました。

井下 すごくありがたいお話ありがとうございます。大事な服を育てていく、もっと好きになるって心が豊かになりますね。

お二人が考える、今後の展開とは?

井下 お二人の今後の展開について、ぜひお聞かせください。

中島 今はSNS時代全盛なので、SNS映えする服が反響があるんです。ものすごく分かりやすくキャッチーなデザインがしてあったり、わりと鮮やかなグラフィックだったりする服ですね。ただ、同時にそれだけじゃダメだよなっていう思いもあって。私たちは展示会を見に行ったり、実際に触ったりしながら、読者よりも先に商品のことを知っている。だから、そんなに派手なキャッチさはないけどこれはいい商品なんだよっていうことや、地味だけど肌触りやカッティングの良さなどを伝えるのが私達の役目かなと思っています。もう少しデジタルもやれって言われているのですが、そこに溺れることなく、大事なことは大事だと伝えていければなと思っています。

井下 ありがとうございます。森さんは今後の展開をどう考えていらっしゃいますか。

 今グループで1000億ぐらいの売り上げがあるなかで、ECがどんどん伸びてて、売上200億を超えてるんです。ただ、今の中島さんの話と同じように、お店に足を運んでいただく価値を考えることがあるんですよね。ECであれば探していたものをチェックできたり、アイテムをおすすめしてくれたりする。一方、店舗には個性豊かなスタッフがいて、そういったスタッフと話す中で、自分が知らないファッションのことや新しい着方を発見できる。お客さまにそういった驚きを与えられるような店舗にしていかなきゃって考えているんです。これからはスタッフの接客やスタイリングの個性、それぞれのスタッフのSNSでの発信力などを評価していきたいと思っています。 併せて、お店やブランドの世界観を作り込めるようなショップ作りを意識したいと考えています。BGMや香りを効果的に使って、商品を買わなくても気分が上がるような店づくりをしていきたいですね。

ファッションのプロから見た「リネット」の魅力とは?

井下 今回、一緒にコラボさせていただいたベイクルーズさんから見て、リネットにどんな魅力を感じていらっしゃいますか?

 サービス自体が独自性があって、全てネットで完結するところですね。あと、ベイクルーズはリネットとのフィーリングがいい。どのブランドにのせてもハマるなって思いました。

井下 ありがとうございます!とても嬉しいです。ちなみに、中島さんは以前からリネットのユーザーだったそうで、ユーザー視点から見たリネットの魅力をぜひお聞かせいただきたいです。

中島 このお話いただく前から、実はユーザーだったんです。森さんの話じゃないですが、直感的にフィーリングが合うリネットのホームページを見つけたんです。 クリーニングは自分とのワークシェア。自分で洗えなくはないけど、ここからはプロにお任せしましょう、といった感じです。東京の女の子たちは本当に忙しいし、非常にストレスフルな時間を区切った生活をしているので、自分のどの仕事をプロにお任せするかっていうことに対してはみんな考えていることだと思います。そのためにクリーニングという業種がある。しかも、それがネットで完結できれば、忙しい彼女たちにとっての良きサポーターになりますよね。

井下 そう言っていただけて嬉しいです。今日は、スペシャルなお二人とこうやってお話できて、夢みたいな時間でした。ありがとうございました!

まとめ

ファッションのプロであるお二人のトーク、いかがでしたか?お二人のトークを通じて、ご自身の洋服や、自分のライフスタイルとファッションの関係を改めて見直してみたいと思った方も多いはず。ぜひ、皆さんもファッションを楽しんでくださいね!

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リネットマガジン編集部

リネットマガジンの編集・執筆担当。面倒くさがりの「ナマケモノ」ゆえに、効率よく省エネで生きることには熱心。 お洗濯がメンドクサイと思っている仲間のために、「時短で、ラクに、キレイになるリアルに使える洗濯術」を紹介しています。

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