スーツできちんとした印象を与えるのに必須なネクタイは、思ったよりも汚れやすいもの。食べ物や飲み物の汚れが飛んで、染みになっていませんか?ネクタイはスーツ姿で一番目に付く箇所なのもあって、汚れはすぐに落としたいですよね。
「ネクタイに染みがついてしまった!」というとき、そもそも洗濯していいのか、クリーニングに出すものなのか、迷ってしまいませんか? 実は、ネクタイはクリーニング推奨ですが、素材によっては自宅で洗えるものもあるんです。
この記事では、洗えるネクタイの見分け方や、ネクタイを洗濯機で洗う方法、洗えない場合のケア方法についてご紹介します。
目次
自宅で洗えるネクタイと洗えないネクタイの見分け方
ネクタイはデリケートなため、洗濯表示と色落ちを確認して、自宅で洗えるかどうかを見極めておく必要があります。
洗濯表示を確認する
ネクタイはデリケートなものが多いため、洗濯できるかどうかは「洗濯表示」にかかっています。
洗濯機で洗える場合
次のような洗濯表示があれば、洗濯機で洗えます。 次のような素材のネクタイは、洗濯機での洗濯がOKなことが多いです。
- ポリエステル
- 綿
洗濯機では洗えない場合
「家庭での洗濯禁止」の洗濯表示になっている場合は、洗濯機で洗うと形崩れする可能性が高いので、クリーニングに出すようにしましょう。
「手洗いができる」場合は手洗いで優しく洗うか、自宅では洗わないのが無難です。また、記事後半の「洗えないネクタイのお手入れ方法」も参考にしてくださいね。 次のような素材のネクタイはデリケートなため、洗濯機での洗濯がNGなことが多いです。
- 絹(シルク)
- ポリウレタン
- レーヨン
色落ちを確認する
洗濯表示をクリアしても、洗剤で色落ちしてしまうこともあります。洗う前に次の手順でチェックしておきましょう。
- 洗濯したいネクタイの目立たない部分に、洗うときに使うおしゃれ着用洗剤を少しだけたらします。
- 1分後、洗剤をたらした部分に白い布を軽く押し当てて、優しくもみます。
- 白い布に色が移っていなければ、洗ってもOKです。
もし色が移ったら、自宅で洗濯するのはやめて、色落ちしにくいクリーニングに出しましょう。
自宅でのネクタイ洗濯失敗あるある3選
ネクタイは自宅でネクタイを洗濯しようとすると起きがちな、洗濯の失敗をご紹介します。
失敗1:ネクタイにシワができる
洗濯後、ネクタイの芯の部分が歪んでしまうことがあります。
そのままアイロンをかけると、歪んだままシワがついてしまうことも!
失敗2:反り上がる・潰れるなどの形崩れが起こる
洗濯して乾燥させると、ネクタイが膨らんで反り上がってしまうことがあります。
アイロンでプレスすると、潰れてぺったんこになってしまって、みっともないシルエットに……。
失敗3:ネクタイが破ける・壊れる
洗濯機で脱水する際に、ネクタイが破けてしまうこともあります。
細くなっている部分がねじれてしまい、アイロンでも修復できなくなってしまうことも。
正しいネクタイの洗濯方法
ネクタイはかなりデリケートなアイテムで、洗濯に失敗することも多く、基本的にはクリーニング推奨です。プレゼントでもらったネクタイや大切なネクタイは、必ずクリーニングに出すようにしましょう。
しかし、取り急ぎで買った100円ショップのネクタイなど、毎回クリーニングに出すのはお金がもったいない……というネクタイもありますよね。
そこで、洗えるネクタイの見極め方と、正しい洗い方をご紹介します。 洗える場合でもデリケートなことには変わりないので、紹介する手順を守るようにしてくださいね。
準備、洗う、乾燥、アイロン・収納のステップに分けて説明していきます。
STEP1:[準備編]
まずは洗濯する前に、ネクタイが洗えるかどうかを確認しましょう。
前述の「自宅で洗えるネクタイと洗えないネクタイの見分け方」を参考に、自宅で洗えるネクタイのみSTEP2に進んでください。
自宅で洗えないネクタイは、洗濯すると失敗する可能性が大きいので、必ずクリーニングに出すようにしましょう。
STEP2:[洗う編]
次に、洗濯機で洗う工程に入ります。洗濯機に入れる前に、汚れや染みの前処理をしたり、洗濯ネットに入れるなどのひと手間を加えることで、仕上がりが変わってきますよ。
染み抜きをする
染みがついていたら、「洗う前に」染み抜きをしましょう。 また、数日〜1週間以上経った染みは取るのが難しくなります。できるだけすぐに染み抜きするようにしましょう。
水溶性の染み(醤油、コーヒーなど)の落とし方
水溶性の染みは、食器用中性洗剤とガーゼを使って染み抜きをするのがおすすめです。
- 染みの下に、汚れてもいい布を敷きます。
- 食器用中性洗剤を水で15倍に薄めたものを、直接染みの上にたっぷりと含ませます。
- 染みの上からガーゼなどをトントンと優しく叩いて、ガーゼに染みを移します。
油性の染み(ドレッシング、マヨネーズなど)の落とし方
油性の染みは、クレンジングオイルと食器用洗剤を使って染み抜きをするのがおすすめです。
- 染みの部分に直接クレンジングオイルを塗り込んで、優しくもみます。
- 洗面器や洗面台にぬるま湯を張り、すすぎます。水が白くにごるので、にごりがなくなるまで水を変えてすすぎましょう。
- 食器用中性洗剤を少量入れて、軽くもみ洗いし、クレンジングオイルを取り除きます。
染み抜きの注意点
注意するポイントは、「ゴシゴシ擦らない」こと。擦ると汚れが繊維に入り込んで、染みが落ちなくなってしまう恐れがあります。トントンと優しく叩く感じで取り除きましょう。
ネクタイを洗う
ここでは、洗濯機での洗い方を紹介します。 洗濯機で洗う場合、「ドライコース」「手洗いコース」などの優しく洗えるコースを選ぶのがポイントです。ネクタイへのダメージを最小限に抑えて洗うことができます。
準備するもの
- 洗濯機
- 小さめの洗濯ネット
- おしゃれ着用洗剤
手順
- 洗濯ネットにネクタイをたたんで入れます。洗濯ネットの中でネクタイが動いてしまわないように、サイズの合った小さめのネットに入れましょう。
- 洗濯機に1.を入れて、「ドライコース」「手洗いコース」などの優しく洗えるコースを選びます。
- 洗濯機の洗剤投入口におしゃれ着用洗剤を規定量入れます。洗剤がネクタイに直接かからないように注意しましょう。
- 洗濯機を回します。
STEP3:[乾燥編]
ネクタイを干すときは、ネクタイをハンガーにかけて、風通しのよいところで陰干しします。直射日光に長時間当てると、紫外線の影響で変色してしまう恐れもあるので、必ず日陰で干しましょう。
ネクタイの表面の部分が乾いていると思っても、内側の芯が乾くのには時間がかかります。十分に干しておくようにしましょう。
また、ネクタイが半乾きの状態でアイロンをかけると、よりシワが伸びやすくなります。ネクタイにアイロンをかけたい場合は、ある程度乾いたら次のステップに進むとよいでしょう。
STEP4:[アイロン・収納編]
乾いた後、シワが気になるのであればアイロンをかけましょう。また、デリケートなネクタイは収納方法にも気をつけてくださいね。
アイロンをかける
アイロンをかける前の準備
ネクタイの洗濯表示を確認して、「アイロン仕上げ禁止」の場合はアイロンがけをしないでくださいね。
洗濯表示に「当て布使用」とある場合は、当て布をしてアイロンしましょう。やり方は、「スチームアイロンのシワ取り手順」のところで紹介していますので参考にしてくださいね。
使うアイロンの種類
アイロンには、主に3種類あります。
- ドライアイロン:アイロン台でプレスして使用する、スチーム機能がない
- スチームアイロン:アイロン台でプレスして使用する、スチーム機能がある
- 衣類スチーマー:ハンガーにかけたまま使用する
ネクタイの場合は、スチームアイロンか衣類スチーマーを使うのがおすすめです。生地から浮かせてスチームで仕上げることができるため、プレスすることなく、生地が傷みにくいためです。
スチームアイロンのシワ取り手順
<用意するもの>
- スチームアイロン
- アイロン台
- あて布(白いハンカチや手拭いでもOK)
<手順>
- スチームアイロンを一番低い温度に設定します。
- ネクタイのシワ部分を手で伸ばします。引っ張りすぎるとネクタイが伸びてしまうことがあるので、あくまで元の形に戻すようにしましょう。
- ネクタイをアイロン台に平置きして、シワ部分にあて布をかけます。
- スチームアイロンを浮かせるようにして、あて布の上からネクタイにスチームをかけます。
- シワがある程度伸びたら、スチームアイロンのスチームを切ります。スチームアイロンを浮かせるようにして、あて布の上からネクタイに熱を加えて湿気を飛ばします。
衣類スチーマーのシワ取り手順
<用意するもの>
- 衣類スチーマー
- ハンガー
<手順>
- ハンガーの首部分にネクタイを引っ掛けるようにして吊るします。
- ネクタイの生地から1cm程度浮かせて、衣類スチーマーのスチームを当てます。
- 深いシワは、ネクタイにスチームを当ててから軽く揉んで伸ばすとよいです。火傷には注意してくださいね。
収納する
ネクタイは、ハンガーに吊るしたままクローゼットにしまいましょう。 ニットタイなどの伸びやすい生地のネクタイの場合は、くるくる丸めて箱に入れて保管します。
洗えないネクタイのお手入れ方法
洗えないネクタイは、普段からお手入れしておきましょう。クリーニングに出す頻度も減らすことができますし、何よりずっときれいに着用することができますよ。
着用後は、すぐハンガーに吊るす
シワがついてもアイロンがけできないネクタイの場合、普段からシワがつかないようにするのが大切です。着用後はハンガーに吊るして、ネクタイの重みで結び目などのシワを伸ばすようにしましょう。
伸縮しやすいニットタイは、吊るすと伸びてしまう恐れがあります。元々シワがつきにくいので、ハンガーにはつるさずに丸めるか平置きしましょう。
雨に濡れたら陰干ししてからしまう
雨に濡れた場合は、ハンガーに吊るして陰干しして乾かしましょう。濡れたまま放置するとカビの原因になります。 伸縮しやすいニットタイは、吊るさずに平置きして干すようにしましょう。
撥水スプレーや撥水加工で雨や汚れを防ぐ
撥水スプレーをかけたり、クリーニングの撥水加工をしたりするのもおすすめです。 撥水処理をすると、雨や汚れを弾くようになります。もしネクタイに汚れがついてしまっても、サッと拭きとれば染みになるのを防ぐことができますよ。
ネクタイは、素材に気をつけて慎重に洗濯すれば失敗を減らせる
洗えるネクタイの見分け方や、ネクタイを洗濯機で洗う方法、洗えない場合のケア方法をご紹介しました。
ネクタイはデリケートなものが多いです。まず洗濯表示や色落ちをチェックして、洗濯ができるかどうか確認しましょう。洗濯機で洗濯できる場合でも、優しく洗うことができるコースを選ぶことが大切です。アイロンがけするときも、直接アイロンをネクタイに当てずに、スチームで慎重に行ってくださいね。
洗えないネクタイの場合は、吊るしてシワを伸ばすなどして、普段からシワをケアするようにしましょう。撥水スプレーや撥水加工で汚れを防ぐのもよいですね。
紹介した手順が面倒な場合や、洗えないネクタイは、迷わずクリーニングに出しましょう!